多くの人が集まるコムデックス/秋,あるリセラーの殺人事件がいつも話にのぼる。隆盛を極めたPC業界の繁栄に,密着して進んできた推理小説。終わりのページが来るのは,いつ?
9年前にラスベガスで,プログラマー兼リセラーのラリー・ボルク氏が後頭部を銃撃され死亡した。ボルク氏は,自分の会社が不正な利益を得ていたとの証言をしており,当局は,会社経営者の事件への関与を捜査したが,証拠は挙がらなかった。その後,ある浮浪者が犯行を自白したが,証拠不十分で無罪に。数年後,浮浪者が再び,経営者に近い関係だったギャングらが共犯だったと自白し,そのギャングも一部罪を認めている。だが当局は最近,経営者への容疑をまだ捨てていない発言を地元紙に語っている。この話題は,コムデックス/秋がラスベガスに来るたびに,語り継がれている。今年は,事件が解決したとして集まった人々の口にのぼるのだろうか。
大小を問わぬソフトウェア,ハードウェア,チップベンダーが勢ぞろいする,ラスベガスでのコムデックス。今年も14日から開催されるが,各社とも新製品などの発表を予定しており,目が離せない(ZDNetのコムデックス特集ページ。14日夜には,裁判での事実認定後はじめて,MSのビル・ゲイツ会長が一般聴衆の前に立ち,基調講演を行なう)。毎年,各地から多くの人がラスベガスに集うが,その人たちは,推理小説の探偵のように,この事件について語り合うと云う。
90年10月に事件が起き,92年9月には浮浪者が起訴された。不起訴でお蔵入りになるのかと数年が過ぎたが,97年9月には再自供と共犯者の存在が浮上。今年は事件解決かと思いきや,秋になって再び,当局が以前の容疑者に疑いの目を向けているとの話。まるでコムデックスに話題提供するかのように,秋口に事件が進んでいく。コムデックスがあってこの事件があるのか,この事件があってコムデックスがあるのか。…今年,コムデックスは20周年目の開幕を迎える。
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